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引用:http://www.sei.co.jp/company/press/2015/img/prs098_3.jpg


2015年12月25日 住友電工プレスリリースより

南早来変電所大型蓄電システムの実証試験開始について

北海道電力株式会社(以下「北電」)と住友電気工業株式会社(以下「住友電工」)が共同で進めてきた、北電南早来変電所(所在地:北海道勇払郡安平町)における大型蓄電システム(レドックスフロー電池、定格出力15,000kW、容量60,000kWh)の設置工事が完了し、本日より実証試験を開始いたしました。
本実証設備の蓄電容量は、レドックスフロー電池としては世界最大級の規模となります。

詳細は、住友電工プレスリリースをご覧ください
http://www.sei.co.jp/company/press/2015/12/prs098.html



 レドックスフロー電池とは、まだあまり聞き慣れない蓄電池ですが、大型の蓄電池として期待され、かなり以前から研究されてきました。二つのタンクに蓄電物質を入れ充電時にその蓄電物質を逆の電荷にイオン化し、放電時は二つのイオンを膜を通して放電させることで電力を得る仕組みです。蓄電物質が液体なためタンクのサイズによって充電容量を拡大できるメリットがあります。一般に蓄電物質は両極とも同一物質を使うのが技術的に容易だとされています。

 欧米では、バナジウムを蓄電物質に使う研究が盛んですが、日本では企業ごとに別の物質を拘りをもって研究しているようです。住友電工では、鉄クロム溶液を利用しているようですが、今回の設備が世界最大級とのことですから、当りを引いたのかもしれません。

 太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーは、変動が大きく変動を吸収するためのベース電源が不可欠です。しかし、この蓄電設備が普及すれば、細かい変動を蓄電池が吸収してくれるため、ベース電源を減らしても停電の心配が少なくなります。その分燃料のガスや原発の利用を減らせるので電気料金の値下げや、エネルギー自給率の向上につながる技術ではないでしょうか。